Research Press Release

子癇前症に、自己免疫疾患の可能性

Nature Medicine

2008年7月28日

Pre-eclampsia may be an autoimmune disease

子癇前症の患者から単離した自己抗体をマウスに投与することによって、子癇前症に似た症状を引き起こせることが明らかになった。この知見は、子癇前症の診断と治療に大きな意味をもつ可能性がある。

子癇前症は妊娠の5%程度にみられ、世界では妊婦と新生児が命を落とす主な原因となっている。この病気の臨床的な特徴には、高血圧、血管機能不全、胎盤異常などがあり、脳出血や腎不全につながることがある。この病気はほとんど解明されていないため、効果的な治療法も存在しない。

これまでの研究で、子癇前症の女性は1a型アンジオテンシンII受容体(AT1)に結合、活性化する自己抗体をもつことが明らかになっている。この受容体は血圧の調節にかかわることが知られている。Y Xiaたちは、妊娠中のマウスにAT1に対する抗体を注射すると、前述のような症状の一部が現れることを明らかにした。この子癇前症に類似した症状は、抗体と一緒にAT1受容体のアンタゴニストであるロサルタンか、この抗体を中和する作用をもつAT1由来のペプチドを注射することによって、防ぐことができたという。

doi:10.1038/nm.1856

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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