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細胞内マイクロレーザー

Nature Photonics 9, 9 doi: 10.1038/nphoton.2015.129

微小な共振器内に光を閉じ込める光マイクロ共振器は、レーザーや非線形デバイスの実現から生化学センシングやオプトメカニカルセンシングまで、さまざまな用途に広く活用されている。今回我々は、生体細胞の内部でマイクロ共振器と適切な光学利得材料を用いて、レーザー発振などのさまざまな光学的機能をin vitroで実証している。我々は、ウィスパリングギャラリーモードを利用するソフトタイプとハードタイプの2種類のマイクロ共振器を検討している。油滴を注入して形成したソフト液滴や天然脂質滴を利用して形成したソフト液滴によって、細胞内でのレーザー動作が実現された。油滴マイクロレーザーのレーザースペクトルによって、細胞質の内部応力(約500 pN μm−2)とその動的変動が図示され、感度は20 pN μm−2(20 Pa)であった。もう1つのハードタイプでは、貪食されたさまざまな大きさのポリスチレンビーズ内のウィスパリングギャラリーモードを利用して、容易に数千個の細胞を個別にタグ付けでき、原理的には、さまざまな色素で多重化することによって、さらに多くの細胞へのタグ付けが可能になる。

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