Article

メガヘルツ繰り返し率の単独アト秒パルス実現に向けて

Nature Photonics 7, 7 doi: 10.1038/nphoton.2013.131

高調波を発生させる高強度場過程は、単独アト秒パルスを生成する基盤となる。単独アト秒パルスは、これまでに生成された事象の中で最高速の制御可能な事象である。こうしたコヒーレント極端紫外放射は、原子や分子における超高速運動を解像する不可欠な手段になっている。しかし、アト科学という新分野において数多くの目覚ましい進歩が見られたにもかかわらず、低い繰り返し速度(最高で3 kHz)のレーザーシステムではデータ取得速度が低くなるため、これらの精巧な実験の進展が阻まれている。したがって、高繰り返し速度の光源が得られれば、この歴史の浅いアト科学分野における大きな障害が克服できるであろう。今回我々は、0.6 MHzの高調波を発生させるファイバーレーザー励起光パラメトリック増幅器を用いて、単独アト秒パルスの証拠を示す初のメガヘルツレベル極端紫外連続波光源について報告している。繰り返し速度が200倍に増加したことによって、アト秒分解能のコインシデンス分光や光電子分光など、さまざまな新しい応用の実現や促進が可能になる。また、空間分解ポンプ・プローブ測定用にビデオ速度のデータ取得も可能になる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度