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孤立した単層カーボンナノチューブのプラズモン誘起電子励起における選択則の破れ

Nature Photonics 7, 7 doi: 10.1038/nphoton.2013.129

電子準位間の光学遷移は、電子波動関数のパリティが支配する選択則に従って制限される。この制限を取り除くことができれば、光化学反応の効率と多様性が大きく改善される可能性がある。選択則は場の振幅が分子内で一定であると仮定した長波長近似に基づいているため、電磁場の勾配が著しく高い局在プラズモンは光学応答に関する従来型の限界を破ると予測されている。今回我々は、ナノギャップの間隔を制御した金属ナノ二量体を使って、単層カーボンナノチューブ(SWNT)の光学電子遷移の制御が可能であることを実証する。よく分解されたラマン信号を通して、各SWNTの励起を極めて系統的に同定し、SWNTの動径方向の強い場の勾配によって、選択則が破れることが示された。

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