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カー非線形性限界を超えて通信を行う位相共役ツイン波

Nature Photonics 7, 7 doi: 10.1038/nphoton.2013.109

カー非線形性によって、光ファイバー通信回線で実現可能な伝送性能と伝送容量が制限される。我々は、一対の位相共役ツイン波の非線形ひずみは本質的に反相関しているため、伝送線路の終端でツイン波をコヒーレントに重ね合わせれば、信号と信号の非線形相互作用の打ち消しを実現できることを示す。この方法をファイバー通信に適用して、非線形ひずみを8.5 dB以上減少させられることを実証した。分散性非線形伝送では、非線形性の打ち消しには分散対称性の条件がさらに必要となるが、この条件は信号をあらかじめ適切に分散させれば満たすことができる。これらの手法を使って、12,800 kmのファイバーにわたって400 Gb s-1のスーパーチャネルを伝送することに成功した。さらに我々は、非線形性の打ち消しと非線形雑音スクイージング効果との関係を示す。位相共役ツイン波を使って非線形相互作用を抑制するという考えは、非線形シュレーディンガー方程式が支配する他の物理系でも有効であることが示される可能性がある。

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