2個の光子の量子状態を1個の光子に結合する

光子は、量子情報の通信における理想的なキャリアである。それぞれの光子は、偏光、波長、横モードなどの光の自由度によって定まる内部量子状態に符号化された、1つあるいは複数の量子ビットを持つことができる。しかし、光子は互いに相互作用しないので、複数の光子に載っている量子情報を1つの光子に多重化したり、多重分離したりすることは、これまで不可能だった。今回我々は、「量子結合」と名付けた物理プロセスを導入し、実験的に実証する。この量子結合では、それぞれ二次元の量子状態（量子ビット）を持つ2個の入力光子が、1個の出力光子の四次元ヒルベルト空間に結合される。これとは逆のプロセスも提案し、逆プロセスでは1個の光子の四次元量子状態は、それぞれ量子ビットを運ぶ2個の光子に分割される。双方のプロセスは繰り返すことができるので、量子情報の多粒子プロトコルと多自由度プロトコルを橋渡しする柔軟な量子相互接続が得られ、将来の量子ネットワーク構築に応用できる可能性がある。