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ランダムレーザー光源を用いたスペックルフリー・レーザーイメージング

Nature Photonics 6, 6 doi: 10.1038/nphoton.2012.90

多くのイメージング用途でますます輝度の高い光源が必要となっているため、従来型の熱光源を、高輝度発光ダイオード、スーパールミネッセント・ダイオード、レーザーに置き換える動きが進んでいる。レーザーやスーパールミネッセント・ダイオードは、輝度は高いものの全視野イメージング用途にはあまり適していない。なぜなら空間的コヒーレンスが高いため、画像形成を損なうスペックルなどのコヒーレントアーティファクトが生じるからである。最近我々は、空間的コヒーレンスが低くなるようランダムレーザーを設計できることを実証した。そして今回、特別設計のランダムレーザーの空間的コヒーレンスが低いことを利用して、光散乱が強い状態でのスペックルフリー全視野イメージングを実証している。ランダムレーザー光源で生成した画像のほうが、空間的にコヒーレントな光源を用いた場合よりも質が高いことを定量的に示す。ランダムレーザーは、コヒーレントアーティファクトという欠点がない高強度レーザー光源となるため、全視野顕微鏡からデジタルプロジェクター・システムまで、さまざまな全視野イメージング用途に適している。

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