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引張ひずみによってゲルマニウムの発光を増大する微細加工に基づく技術

Nature Photonics 6, 6 doi: 10.1038/nphoton.2012.111

ゲルマニウムはシリコンと互換な光エレクトロニクス用の魅力ある材料であるが、バルク形態では、間接遷移形であるため、効率よく発光しない。引張ひずみをゲルマニウムに加えると、バンド構造が変化して放射再結合が増大し、その結果発光が改善されるようになる。本論文では、「光エレクトロニクス用の張力を受けたサスペンションプラットフォーム」について報告する。これは、局所的に調整可能な大きな引張ひずみを懸架したデバイス層にかける微細加工に基づく技術である。この方法を使って、1軸ひずみと2軸ひずみをかけたゲルマニウム-オン-インシュレーターデバイス層から、大幅に増大した発光が生じることを実証している。バルクのゲルマニウムよりも、光ルミネセンスが波長1,550 nmで130倍に増大し、積分強度が260倍以上増大したことを示す。この発光は光ポンプパワーに対して超線形な依存性を示す。懸架したゲルマニウム-オン-インシュレーター発光ダイオードからの増大したエレクトロルミネセンスを示す予備的な証拠も報告する。

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