Letter

シリコンチップ上に化学的にエッチングした超高 Q くさび型共振器

Nature Photonics 6, 6 doi: 10.1038/nphoton.2012.109

超高 Q 光共振器は、量子情報、非線形光学、共振器オプトメカニクス、通信など幅広い分野で研究されている。今回我々は、オンチップデバイスとしては記録的な Q 値(8億7500万)を持つ新たな共振器を実証している。このデバイスの製造には特殊な処理を必要としない。微小トロイド共振器の場合、その製造に特殊な処理が必要なために、大きさを制御することや、ミリメートルやセンチメートルのスケールの直径を実現することは難しかった。この程度の大きさを実現することは、微小共振器による光周波数コムなどの応用に重要であり、回転運動の検出でも重要になる可能性がある。我々は、大きさの制御の1つの応用として、このデバイスを組み込んだ誘導ブリルアンレーザーを実証している。この共振器は、オンチップでの Q 値の新たな基準になるだけでなく、この種の重要なデバイスにおいて初めて従来の半導体製造工程に完全に適合したものである。このような特徴は、超高 Q デバイスによって可能になる「システムオンチップ」の機能の幅を大きく広げるであろう。

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