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立体メタマテリアル

Nature Photonics 3, 3 doi: 10.1038/nphoton.2009.4

<p>3次元分子構造を研究する化学の一領域は立体化学と呼ばれている。立体異性体は立体化学の重要な特徴で、化学式は同じであるが分子内の原子の空間配置が異なる物質のことである。原子の相対位置は、化学物質の特性に大きな影響を及ぼす。今回我々は、化学における立体異性体にならって、ナノフォトニクスにおける新しい概念、すなわち構成要素は同じだが空間配置が異なるメタマテリアルを指す「立体メタマテリアル(stereometamaterial)」を提案する。立体メタマテリアルのモデルシステムとして、2つの同一スプリットリング共振器の積層体から構成され、各ユニットセルがさまざまな角度でねじれたメタダイマー(meta-dimer)を、理論的および実験的に調べた。電気的相互作用と磁気的相互作用の相互影響は、光学特性を得るうえで極めて重要な役割を果たす。特に、より高次の電気多重極の影響がはっきり現れる。立体メタマテリアルのねじれによって、要求に応じた電磁応答を示す複雑なプラズモニック・ナノ構造体を設計する方法が得られる。</p>

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