Article

取り出し効率の高いIII族窒化物フォトニック結晶発光ダイオード

Nature Photonics 3, 3 doi: 10.1038/nphoton.2009.21

発光ダイオードは、小型、高効率、長寿命であるため、従来の光源の代替としてますます魅力的になっている。現行の研究は、より効率の高い発光構造体や光取り出し構造体を用いることによって性能を向上させることに注力されている。今回我々は、フォトニック結晶を用いることによって高取り出し効率を実現する発光ダイオードを実証した。この構造体は、λ = 450 nmで発光するIII族窒化物薄膜発光ダイオードである。フォトニック結晶層によって、従来のIII族窒化物発光ダイオードと比較して優れた光モード制御が可能になり、発光ダイオードからの導波モードを効率よく結合できる。遠距離場放射パターンにおいてファブリーペローモードとフォトニック結晶誘起モードが観測されており、理論的な電磁気計算結果と一致している。光学モード制御により、これまで測定されたどの封止されていないIII族窒化物発光ダイオードよりも高い非封止での推定光取り出し効率∼73%という高性能発光ダイオードが得られた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度