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STED顕微鏡法はナノメートルの分解能で結晶の色中心を明らかにする

Nature Photonics 3, 3 doi: 10.1038/nphoton.2009.2

<p>ダイヤモンド中の蛍光窒素空孔は、光学的に偏極・検出できるスピン状態をもつため、量子暗号や量子計算、ナノスケールの磁気イメージングやバイオ標識に応用できる可能性が非常に高い。しかし、それらの空孔を光学的に検出し制御することは、遠距離場光学系の分解能の回折限界によって阻まれている。今回我々は、誘導放出抑制(STED)顕微鏡法では、集束光を利用して窒素-空孔中心をナノスケールの分解能とオングストロームの精度で画像化できることを示す。ナノスケールで励起状態のポピュレーションを遠距離場光学的に制御することにより、これらの色中心の汎用性が拡大され、結晶中の高密度色中心の画像化にSTED顕微鏡法が適切であることが示される。窒素-空孔欠陥は、ブリーチングせずにほぼ理想的なSTEDを示すため、遠距離場光学ナノ顕微鏡法のタグとして大きな可能性を示す。測定された幅5.8 nmという点広がり関数は、全物理的な遠距離場光分解能が光の波長より2桁以上高くなることを実証している。</p>

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