Letter

テラヘルツ帯域幅のフォトニックチップベースの高周波スペクトラムアナライザー

Nature Photonics 3, 3 doi: 10.1038/nphoton.2009.1

テラヘルツの速度での信号処理には、帯域幅の点で現在のエレクトロニクスの能力(実用的な動作は今のところ数十ギガヘルツに限られている)を超える極めて大きな飛躍が必要である。これは、χ(3)非線形導波路の超高速応答を利用する全光方式によって実現可能である。この目標に向かって、我々はAs2S3ガラスを利用した小型平面リブ導波路を開発しており、複数の機能を集積化できるモノリシック・プラットフォームにおいて仮想「集中」高非線形性が得られている。今回我々は、これを応用して、無ひずみ、広い測定帯域幅(>2.5THz)、フレキシブルな波長動作(すなわち無色)という性能上の利点をもつフォトニックチップベースの全光高周波スペクトラムアナライザーを初めて実証した。この要となるのが、導波路の高い光学非線形性と分散シフト設計である。我々は、このデバイスを用いて、さまざまなひずみによって劣化した高ビットレート(320 Gb s-1)光信号の特性を評価した。超高速広帯域の性能が実証され、Tb s-1前後のビットレートでの集積チップベース信号処理の可能性が明らかになった。

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