Article

高効率ペロブスカイト–ポリマー・バルクヘテロ構造発光ダイオード

Nature Photonics 12, 12 doi: 10.1038/s41566-018-0283-4

ペロブスカイト系オプトエレクトロニクスデバイスは、性能が優れていて加工コストが低いため、特に太陽電池向けに大きな注目を集めている。しかし、ペロブスカイト発光ダイオードでは、エレクトロルミネッセンス効率が非発光性電荷再結合によって制限されている。今回我々は、電流密度0.1~1 mA cm−2において最高20.1%の外部量子効率を示す、ペロブスカイト–ポリマー・バルクヘテロ構造発光ダイオードを実証している。この発光ダイオードの発光層は、擬二次元および三次元(2D/3D)ペロブスカイトと絶縁ポリマーで構成されている。光生成励起は1 ps以内に擬2Dサイトから低エネルギーサイトへ移動し、その後3D領域で発光性二分子再結合が生じる。我々は、電荷輸送コンタクトがある場合とない場合における発光層での1に近い外部フォトルミネッセンス量子効率と過渡的速度論から、非発光性再結合経路が効果的に排除され、100%に近い内部量子効率を与える光学モデルと一致することを見いだしている。デバイスの輝度と安定性(ピーク外部量子効率において空気中でT50 = 46 h)をさらに向上させる必要があるが、今回の結果はペロブスカイト系光子源の大きな可能性を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度