Article

動的に制御されたAutler–Townes分裂による広帯域光子のコヒーレントな貯蔵と操作

Nature Photonics 12, 12 doi: 10.1038/s41566-018-0279-0

光子による量子情報技術は、長期貯蔵のための量子メモリーと、非古典光の短いパルスのコヒーレント操作に依存している。この20年間に研究された光量子メモリーは、コヒーレントな光物質相互作用のさまざまな機構に基づいているが、大きな進歩にもかかわらず、効率的かつ広帯域で長寿命動作を特徴とする現実的なメモリーは、確立された機構に必要な技術と固有の制限のために、まだ困難である。今回我々は、これらの障害を克服する、高速な量子メモリーと操作のための技術を報告する。この方式は、Autler–Townes効果による動的に制御された光吸収に依存しており、これが、光子のコヒーレンスと、貯蔵媒体の集団的な基底状態のコヒーレンスの間の可逆的な移動を媒介する。我々は概念証明として、レーザー冷却されたルビジウム原子のガスで、今回のプロトコルの貯蔵能力と信号処理能力を実験的に実証している。これには、最大1マイクロ秒の、ナノ秒長さの単一光子レベルレーザーパルスの貯蔵が含まれる。この方法は、量子光学に新たな道を開き、原子プラットフォームや固体プラットフォームですぐに応用できる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度