Letter

強誘電性ペロブスカイトにおける可視光の広帯域巨大屈折率

Nature Photonics 12, 12 doi: 10.1038/s41566-018-0276-3

原理的には、10を超える広帯域巨大屈折率を示す物質によって、色収差が克服され、回折限界がナノスケールまで縮小されるため、ナノスケールの画像化への新たな機会が得られる。また、そうした物質を用いることで、光操作によって太陽電池の性能を向上させる別の機会も開かれる。最近の進歩によって、マイクロ波やテラヘルツ周波数でメタマテリアルに巨大屈折率を実現できる可能性が示されたが、可視光域の広帯域屈折について報告された最高屈折率は5未満であった。今回我々は、可視スペクトル全域にわたって26を超える屈折率を示す強誘電性ペロブスカイトについて報告し、白色光およびレーザーの屈折実験と回折実験を用いてその振る舞いを示している。試料は、K0.997Ta0.64Nb0.36:Li0.003(KTN:Li)ペロブスカイト固溶体で、ビームのサイズ、強度、入射角にかかわらず、顕著な回折や色分散を伴わずに垂直軸方向に可視光を伝搬する室温相が自然に生じる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度