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タイミングジッターがフェムト秒スケールの硬X線自由電子レーザー

Nature Photonics 11, 11 doi: 10.1038/s41566-017-0029-8

韓国の浦項加速器研究所の硬X線自由電子レーザー(PAL-XFEL)は、2016年11月27日に0.144 nmの自由電子レーザービームの飽和を達成し、ライナックコヒーレント光源(LCLS)と、SPring-8オングストロームコンパクト自由電子レーザー(SACLA)の実証に続いて、世界で3番目の硬X線自由電子レーザーになった。アンジュレーター放射スペクトル分析を組み込んだ電子ビーム基準アライメントを用いることによって、先例のない時間安定性と分散のない軌道を備えたPAL-XFELの信頼性の高い運転が可能になった。特に、電子線形加速器と電子ビーム基準アライメントに最先端の設計を用いているため、自由電子レーザー光子ビームのタイミングジッターは常にわずか20 fsに抑えられている。電子ビームの低いタイミングジッターによって、タイミングジッター補正を必要とせずにBi(111)フォノンダイナミクスの観察が可能になった。これは、PAL-XFELが硬X線時間分解実験の非常に有用なツールであることを示している。

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