Letter

線形光量子中継器のための実験的な入れ子状の純粋化

Nature Photonics 11, 11 doi: 10.1038/s41566-017-0010-6

量子中継器は、地球規模の量子通信の実証に不可欠な要素である。過去数十年にわたって、実用的な量子中継器の実現に多大な努力が注がれてきた。しかし、量子中継器の根幹である入れ子状の純粋化は、連続的なもつれ操作能力がまだないため、依然として困難である。今回我々は、自発的パラメトリック下方変換光源を用いる入れ子状純粋化のアーキテクチャーを提案し、実証している。もつれスワッピングと雑音の多いチャネルを経た低忠実度光子対の2つのコピーから、より忠実度の高い伝令付きもつれ光子対の純粋化に成功した。巧妙な光回路設計によって、自動的に二光子対放射雑音を排除し、純粋化された状態をスケーラブルなもつれ接続に用いて、通信距離を延長できる。今回の手法は、量子メモリーと組み合わせれば、実用的な量子中継器の実現にすぐに応用できる可能性がある。

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