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変換光学を用いてウィスパリングギャラリーモードを設計する

Nature Photonics 10, 10 doi: 10.1038/nphoton.2016.184

回転対称性を有する誘電体共振器では、共振器の縁の周りで光が内部全反射することによって極めて寿命の長い(すなわちQ値が非常に大きい)ウィスパリングギャラリーモード(WGM)を形成できる。超高Q値のWGMによって、超低しきい値マイクロレーザー、かつてない感度のバイオセンサー、共振器オプトメカニカルデバイスなど、さまざまな素晴らしいフォトニックシステムが可能になった。しかし、回転対称性に起因するWGMの等方的発光は、指向性光源を必要とする用途において重大な欠点となる。従って、意図的に回転対称性を破ることによる指向性発光の実現にかなりの努力が注がれてきたが、これまでに提案された方法は全て、Q値が大幅に低下するという欠点があった。今回我々は、Q値や発光の指向性などのウィスパリングギャラリー誘電体共振器のモード特性を、変換光学を用いて自在に調整できる方法を示す。今回提案した方式は、従来のWGMを超える新しい応用の可能性を開くものである。

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