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強い閉じ込め限界における偏光透過性マイクロフォトニクス

Nature Photonics 1, 1 doi: 10.1038/nphoton.2006.41

フォトニック結晶やミクロンサイズの共振器などの、光の強い閉じ込め(SC)を利用したマイクロフォトニック構造体は、急激な技術発展をもたらしうる他に類をみない特徴をもっている。しかし、このようなデバイスは偏光に対して本質的に敏感で、異なる軸に沿って偏光した光に対して異なる応答をするため、使用できる用途がほとんどない。SCを利用したマイクロフォトニック構造体の特徴的な特性の恩恵を受けるには、偏光敏感性に対する一般的・統合的かつ広帯域対応の解決策が必要である。今回我々は、このような解決策を初めて実証した。この解決策によって、任意の偏光敏感性SCマイクロフォトニックデバイスをすべての動作波長において偏光透過性に、すなわち入力偏光に対して鈍感にできる。我々の方法を検証するために、偏光敏感性マイクロリング共振器から初の偏光透過性アッドドロップフィルターを作製した。このフィルターは、優れたフィルター性能を維持したまま、60 nmの測定バンド幅にわたって偏光敏感性をほぼ完全に解消している。今回の開発によって、通信、分光、リモートセンシングなどのさまざまな分野への、フォトニック結晶やマイクロリング・デバイスなどのSCマイクロフォトニクスの応用が直ちに可能になる。

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