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COVID-19:SARS-CoV-2慢性感染の間の適応進化のドライバー

Nature Medicine 28, 7 doi: 10.1038/s41591-022-01882-4

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)が慢性感染した免疫不全患者の一部では、かなりの適応進化が起こる。慢性感染で見られる一部の置換は、「懸念される変異株(VOC)」での系統を特徴付ける変異であり、これがVOCが慢性感染から出現するという仮説につながっている。本研究では、27人の慢性感染患者からなるセットで得られた塩基配列解読結果を統合することにより、VOC株出現のドライバーを探索した。このセットに見られるほとんどの置換は、系統の特徴となるVOC変異を反映していた。しかし、慢性感染には、世界的な伝播成功に関連する変異のサブセットは存在しなかった。我々はさらに、抗体回避変異と、患者特異的な特徴およびウイルス特異的な特徴とを関連付けることができるかどうかを検討し、ウイルスのリバウンドが抗体回避の出現と強く相関することが分かった。ほとんどの患者で動的な多型ウイルス集団の証拠が見つかったことは、免疫系の不全が、患者の体内の特定のニッチでの抗体回避を選択することを示唆している。抗体回避と伝播性の間にはトレードオフが存在し、またVOC出現機構の解明をさらに進めるには慢性感染の広範にわたるモニタリングが必要であると、我々は考えている。

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