Review Article

がん治療/腸マイクロバイオーム:がんで腸および腫瘍内の微生物相を標的とする

Nature Medicine 28, 4 doi: 10.1038/s41591-022-01779-2

腸などのニッチ(微小環境)内の微生物は、発がんの一因となる可能性があるのに加えて、がんの免疫監視や免疫療法への応答にも関わっている。宿主に内在する多様な微生物の間の複雑な関係や、こうした微生物が健康や病気に影響する多面的な機構についての我々の理解は非常に深まってきており、微生物相を標的としてがんの治療転帰を改善する新規な治療戦略の開発が急がれている。従って、患者個人の微生物組成とその機能を評価し、それを標的として調整を行うことは、将来の学際的な精密医療の取り組みの重要な要素である。この総説では、がんのより良い予防と治療のためのマイクロバイオームの活用に向けた研究の現状について概説する。

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