Perspective

がん:低・中所得国でのがん研究のための優先事項:グローバルな見通し

Nature Medicine 28, 4 doi: 10.1038/s41591-022-01738-x

現在、がん研究は高所得国(HIC)に大きく偏って実施されており、低・中所得国(LMIC)で行われ、LMICが抱える問題に関係するような研究はほとんどない。がんに対する知識の生産と活用におけるこのような地域的なバランスの崩れは、修正されなければならない。LMICの研究事業に存在する複数のギャップは、地域に関係する研究を促進するためには早急に対処しなければならず、このような地域でのがんのケアに含まれる重大な問題に取り組むには、抜本的な再考が必要である。我々は、LMICでのがん研究に現在存在する、また将来予測される難局に基づいて、5つの最優先事項を選び出した。それらは、「進行性がん患者の負担軽減」、「医療へのアクセス、費用面での利用性、およびがん治療転帰の改善」、「患者にとっての価値基準を重視するバリューベース・ケアと医療経済学」、「医療の品質向上と実装研究」、「技術の活用によるがん管理の改善」である。LMICには、がんの管理に世界的な影響を及ぼす可能性があるがん研究の重要な問題に取り組む絶好の機会がある。その成功には、政府、政策立案者、資金提供機関、医療機関、研究の指導者、研究者、一般市民の協力と関与が必要だ。

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