Article

COVID-19:スコットランドでの妊婦のSARS-CoV-2感染率およびCOVID-19ワクチン接種率

Nature Medicine 28, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01666-2

妊娠中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種と重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染の転帰に関する集団レベルでのデータは、まだ得られていない。今回我々は、スコットランドの妊婦でのCOVID-19ワクチン接種とSARS-CoV-2感染について、スコットランドの前向きコホートからの全集団データを用いて報告する。スコットランドでCOVID-19ワクチンプログラムが開始された2020年12月8日から2021年10月31日までの間に、1万8457人の妊婦に対して2万5917件のCOVID-19ワクチン接種が行われた。妊婦でのワクチン接種率は、18~44歳の一般的女性集団よりもかなり低く、2回のワクチン接種を受けた割合は、女性全体では77.4%だったのに対して、2021年10月に出産した女性では32.3%だった。COVID-19診断後、28日以内に出産した女性では周産期死亡率の上昇が見られ、出産1000件当たり22.6だった[95% CI 12.9~38.5、パンデミック(世界的大流行)中の背景率は出産1000件当たり5.6、8万456件中452件、95% CI 5.1~6.2]。全般的には、妊婦でのSARS-CoV-2感染の77.4%(4950件中3833件、95% CI 76.2~78.6)、SARS-CoV-2に関連した入院の90.9%(823件中748件、95% CI 88.7~92.7)、SARS-CoV-2に関連した救命救急入院の98%(104件中102件、95% CI 92.5~99.7)、また新生児死亡の全ては、COVID-19と診断された時点でワクチンを接種していなかった妊婦で発生した。妊婦での低いワクチン接種率への対応は、現在進行中のパンデミックで女性と新生児の健康を保護する上で不可欠である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度