Perspective

ヘルス・ガバナンス:2020年の教訓は結果論にすぎないのか パンデミックが起こってからの1年間で得られたグローバル・ヘルス・ガバナンスにおける教訓

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01272-2

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)パンデミック(世界的大流行)が起こって14か月が経ち、このパンデミックに対する世界的および国家的な対応から得られた重要な教訓が明らかになってきた。世界保健機関(WHO)は、技術的、規範的、調整的に極めて重要な役割を果たしてきたが、加盟している独立国に対する権限がないために活動が制約されている。また、多くの政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をインフルエンザのように管理するという誤った判断を下したため、ロックダウンが繰り返され、超過罹患率や超過死亡率は非常に高くなり、さらに経済回復もうまくいかないという結果になった。有効で安全なワクチンの開発と承認が驚異的な速度で進んだにもかかわらず、新規なSARS-CoV-2変異株が出現したことは、このパンデミックを阻止するには、全ての国が今後数年間にわたって、公衆衛生の世界的に協調した取り組みに頼らなければならないことを意味している。

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