Perspective

公共医療サービス:ポストCOVID-19時代におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジに向けて

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01268-y

世界の全ての国が、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に署名し、「全ての人々が、経済的不安に苦しむことなく、必要とする高品質な保健医療サービスを受けられ、必要とする安全で有効であり高品質で安価な医薬品とワクチンなどの全てを入手できるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成」を約束している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)中、またそれ以降、UHCに向けた前進は多くの国で困難さを増すと思われ、全ての人が適切な金銭的保護の下に必要とする医療サービスを受けられるようにするためには、地域主導の優先順位設定が緊急に必要であることは明らかである。資源は限られており、その地域の全人口に対して無制限のサービスを持続可能な方法で提供できる行政区はないため、決められたサービスパッケージに含まれる医療介入を選択する際には、割り当てと優先順位の設定が非常に重要となる。本稿では、資源が限られた状況下で、必要とされる医療サービスパッケージはどのように組み立てて行ったらよいのかを議論し、専門家や一般市民は原則や基準に基づいてどのように決定できるのか、また、包括的な一連の解析をどのように用いることができるのか、さらに無償提供とするサービスをどうやって選択するのかについて詳細に述べる。我々は、このような主要な段階について、エチオピアで最近行われた基礎的国民医療サービスパッケージの改正を例として引用し、基礎給付パッケージを決めている他の国の例と比較する。また、本稿では、UHCの実現に向かいつつある他の低中所得国のための推奨事項も示している。

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