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COVID-19:第1/2相臨床試験でのChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)ワクチンの単回投与によって誘導されたT細胞応答と抗体応答

Nature Medicine 27, 2 doi: 10.1038/s41591-020-01194-5

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因である重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)はパンデミック(世界的大流行)を引き起こしており、安全で有効なワクチンが緊急に必要とされている。Th1に偏った強力なT細胞応答は、防御に働く体液性免疫応答と細胞性免疫応答を引き起こすことができ、疾患増悪の可能性を低下させ得る。細胞傷害性T細胞は、ウイルスに感染した宿主細胞を除去し、感染の制御に関与する。SARS-CoV-2に感染した患者の研究では、COVID-19からの回復には体液性および細胞性の両方の免疫応答が防御に役割を担うことが示唆されている。ChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)は、SARS-CoV-2の完全長スパイクタンパク質を発現し、複製能を欠くサルアデノウイルスから構成されるSARS-CoV-2ワクチン候補である。我々は最近、ChAdOx1 nCoV-19ワクチンの単回投与あるいは2回投与のどちらかの方式を使った第1/2相試験(NCT04400838)での安全性と免疫原性についての予備的データを報告した。このワクチンは忍容性が高く、SARS-CoV-2スパイクタンパク質に対する中和抗体と抗原特異的T細胞を誘導した。本論文では、この臨床試験でChAdOx1 nCoV-19の単回接種を受けた18~55歳の成人について、接種後最長で8週間にわたって免疫応答の詳しい探索的解析を行った結果を報告する。接種によって、CD4+ T細胞によるインターフェロンγおよび腫瘍壊死因子αのサイトカイン分泌を特徴とするTh1に偏った応答と、主にIgG1とIgG3のサブクラスの抗体産生が誘導されることが実証された。単機能性、多機能性、細胞傷害性の表現型を持つCD8 + T細胞も誘導された。まとめると、これらの結果は、ChAdOx1 nCoV-19ワクチンによって良好な免疫プロファイルが誘導されることを示唆しており、このワクチン候補をワクチンの有効性を評価する進行中の第2/3相試験へ進めることの裏付けが得られた。

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