Review Article

COVID-19:COVID-19の肺外症状

Nature Medicine 26, 7 doi: 10.1038/s41591-020-0968-3

COVID-19で最もよく知られているのは重要な呼吸器病変を引き起こすことだが、複数の肺外症状が現れることもある。これらの症状には、血栓性合併症、心筋機能障害や不整脈、急性冠症候群、急性腎障害、胃腸症状、肝細胞傷害、高血糖症やケトン症、神経学的症状、眼の症状、皮膚合併症が含まれる。疾患の原因となるコロナウイルスSARS-CoV-2が細胞に侵入する際に使われる受容体であるACE2が多数の肺外組織で発現していることを考えると、ウイルスによる直接の組織傷害が損傷の機構であると考えられる。さらに、内皮損傷や血栓性炎症、免疫応答の調節異常、ACE2関連経路の不適応はいずれも、COVID-19のこのような肺外症状に関わっている可能性がある。本稿では、COVID-19患者での肺外臓器特異的な病態生理、臨床症状、また患者の管理上の考慮について概説する。これは、臨床医や研究者が一連の症状の範囲を識別して監視し、関わる全ての臓器系に対して研究の優先順位付けや治療戦略開発を行うのを助けるだろう。

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