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COVID-19:現実世界のネットワークを用いて局所的なCOVID-19制御戦略をモデル化する

Nature Medicine 26, 10 doi: 10.1038/s41591-020-1036-8

患者の隔離と接触の追跡は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行の制御に役立つと考えられる。しかし、現実世界の社会的ネットワークが、このような手法の有効性と効率にどのように影響するのかはまだ分かっていない。我々はこの問題に取り組むために、市民科学実験の間に集められた高分解能GPSデータから生成された現実世界の社会的ネットワークで、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播に対する制御戦略をシミュレートした。その結果、接触相手の接触先も追跡すると、接触相手のみの追跡を行った場合よりもシミュレーション上のアウトブレイク(集団発生)のサイズを縮小できることが分かった。だが、この戦略では、ある単一時点で地域住民のおよそ半数が隔離される結果となった。非感染者の検査と隔離解除は、アウトブレイクのサイズを拡大させたので、接触追跡と隔離は、接触率が高い場合の「地域的ロックダウン」戦略とすれば最も効果的であると考えられる。また、フィジカル・ディスタンシング(物理的距離の確保)と接触追跡を組み合わせれば、隔離者数を減らしながらエピデミックを制御できると推定された。我々の知見は、標的を定めた追跡と隔離という戦略は、フィジカル・ディスタンシングなどの他の制御手段と組み合わせたときに最も有効となる可能性を示唆している。

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