Letter

妊娠糖尿病:全国規模の電子健康記録に基づく妊娠糖尿病の予測

Nature Medicine 26, 1 doi: 10.1038/s41591-019-0724-8

妊娠糖尿病(GDM)は、母親と子の短期的また長期的合併症のリスクを高める。GDMは通常、妊娠24〜28週で診断されるが、より早い発見が望ましい。それは早期発見が有害な妊娠転帰のリスクを予防、もしくは大幅に低減する可能性を持つためである。本論文では、機械学習の手法を用いて、包括的な電子健康記録が利用可能な、イスラエルの588,622例の妊娠についての後向きデータでGDMの予測を行った。我々のモデルは、妊娠開始時であってもGDMを高い正確度で予測し〔ROC曲線下面積(auROC) = 0.85〕、ベースライン時のリスクスコア(auROC = 0.68)より大幅に優れていた。我々の結果を、将来的検証セットと、イスラエルで最も人口の多い都市であるエルサレムの地理的検証セットの両方で検証し、実際の性能をエミュレートした。このモデルを精査することで、以前の妊娠でのGCT(糖負荷試験)の結果など、これまで報告されていないリスク要因が明らかになった。さらに、たった9つの質問への患者の回答を用いるもっと簡単なモデルを考案したが、このモデルでは正確度が少々低下しただけだった(auROC = 0.80)。まとめると、我々のモデルにより、高リスクの女性への早期介入が可能になるだけでなく、低リスクの女性を見つけ出すことで耐糖能検査の必要性を回避できる費用対効果の高いスクリーニング手法も可能になると考えられる。このモデルの実際の臨床的有用性を評価するには、将来的な前向き研究や対象集団を追加しての研究が必要である。

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