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肥満:MRAP2の機能喪失型変異は高血糖と高血圧を伴う過食性肥満を引き起こす

Nature Medicine 25, 11 doi: 10.1038/s41591-019-0622-0

Gタンパク質共役型受容体の補助タンパク質であるMRAP2は、齧歯類でメラノコルチン4受容体を介するエネルギー調節に関与することが示されている。複数のMRAP2変異は、肥満したヒトで報告されているが、これらの変異が機能に及ぼす影響は明らかになっていない。今回、9418人を対象にして行われた大規模なMRAP2塩基配列解読の結果から、肥満リスク上昇に結び付けられる23のまれなヘテロ接合性バリアントが、成人と小児の両方で見つかった。各バリアントの機能評価から、MRAP2の機能喪失型バリアントが、単一遺伝子性の過食性肥満、高血糖および高血圧の病因であることが明らかになった。この結果は、メラノコルチン4受容体欠損などの過剰な飢餓を特徴とする他の単一遺伝子性肥満(低血圧と正常な耐糖能を呈する)とは対照的である。MRAP2の機能喪失型変異の代謝への多面的影響は、膵島などのさまざまな組織でMRAP2によって調節される多様なGタンパク質共役型受容体の機能障害によると考えられる。

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