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がん治療:黒色種の不均一性をAXL抗体–薬剤複合体とBRAF/MEK阻害剤により協調的に標的とする


腫瘍内の不均一性は治療失敗、ひいてはがんの致死性につながる重要な要因の1つである。不均一な腫瘍は部分的な治療応答を示して、薬剤抵抗性クローンを出現させ、これらは受容体チロシンキナーゼAXLを高レベルで発現していることが多い。黒色腫内では、AXL高発現細胞はMAPK経路阻害剤に抵抗性だが、AXL低発現細胞はこのような阻害剤に感受性を示し、これらにそれぞれ異なる治療法が必要であることが推論される。我々は、微小管破壊剤のモノメチルアウリスタチンEとヒトAXL抗体を連結させた抗体–薬剤結合体AXL-107-MMAEを開発した。AXL-107-MMAEは単剤として使用した場合、黒色腫、肺がん、膵臓がん、子宮頸がんなどの患者由来異種移植片で、in vivoでの強力な抗腫瘍活性を示すことが分かった。AXL-107-MMAEとMAPK経路阻害剤は不均一な黒色腫細胞プール内でそれぞれ別の細胞集団を除去し、腫瘍の増殖を協調的に阻害した。さらに、BRAF/MEK阻害剤は、AXLの転写を誘導することでAXL-107-MMAEの効果を高めた。これらの知見は、不均一な腫瘍中の別々の細胞集団を薬剤の合理的な組み合わせにより標的化すれば、治療効果を改善できるという考え方の概念実証となっている。また、AXL-107-MMAEの単剤療法あるいは併用療法における有効性は、未治療のがんと薬剤抵抗性がんの両方で、臨床での検証に値することを示している。
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