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免疫:表皮RANKLは樹状細胞の活性化を介して調節性T細胞の数を調整する

Nature Medicine 12, 12 doi: 10.1038/nm1518

調節性CD4+CD25+T細胞は免疫応答の抑制に重要である。末梢CD4+CD25+T細胞の維持に必要とされる条件はまだ完全にはわかっていない。RANK(receptor activator of NF-κB)およびそのリガンドであるRANKL(CD254、OPGL、TRANCEとしても知られる)は骨のリモデリング、乳腺形成、リンパ節の発達やT細胞と樹状細胞間の情報伝達に重要な調節因子である。今回我々は、炎症を起こした皮膚のケラチノサイトでRANKLが発現されていることを報告する。RANKLのケラチノサイトでの過剰発現は、表皮樹状細胞の機能を変化させ、調節性CD4+CD25+T細胞の全身的な増加が起こった。つまり、表皮でのRANKLの発現は末梢CD4+CD25+調節性T細胞の数を維持するように、樹状細胞の機能を変化させることができる。表皮RANKLは紫外線によって誘導される免疫抑制を引き起こし、表皮RANKLの過剰発現はアレルギー性接触過敏反応および全身性自己免疫の発生を抑制した。したがって、皮膚への環境刺激はRANKLを介して局所的および全身性の免疫系を再編成させることがあると考えられる。

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