Research Highlights
永遠に結ばれたカメのカップル
ドイツの化石の宝庫とされる採掘場で 発見されていたカメの化石が、脊椎動物としては初めての交尾中の化石であることが明らかになった。
チュービンゲン大学(ドイツ)のWalter Joyceたちは、大昔のスッポンモドキ類(Allaeochelys crassesculpta)のつがい(写真)になった9組の化石を分析し、解剖学的な違いをもとに、どの組も雄と雌の組み合わせであることを見つけた。そのうち2組では、雌雄の尾が現在のカメの交尾態勢と一致する配置(雄の尾が雌の甲羅の下に巻き付いていて雌の尾がそれに並んでいる状態)になっていた。
約4700万年前、カメのカップルたちは、火山性の湖の水面付近で交尾を始めたが、そのまま深く潜ってしまい、深層の有毒な湖水のために死んだのだろうと研究チームは考えている。
翻訳:船田晶子
Nature ダイジェスト Vol. 9 No. 9
DOI: 10.1038/ndigest.2012.120930
参考文献
- Biol. Lett. http://dx.doi.org/10.1098/rsbl.2012.0361 (2012)