Seven Days

さようなら、ロンサム・ジョージ

世界で最も希少な動物として有名だった「ロンサム・ジョージ」という愛称のガラパゴスゾウガメが、6月24日に死亡しているのが見つかった。推定で約100歳だった。ジョージは1971年に見つかり、ガラパゴスゾウガメの亜種であるピンタゾウガメ(Chelonoidis nigra abingdoni)の最後の生き残りとされた。生物保全活動組織がこの亜種を何とか絶滅から救おうとしたが、同じ亜種の仲間がほかに見つからず、繁殖を期待して別の亜種の雌を飼育場内に入れても、ジョージはほとんど関心を示さないままだった。彼は生物保全の象徴的存在となり、ガラパゴス諸島の、そして世界中の絶滅危惧種の「大使」役を、静かに、しかし力強く勤め上げた。

翻訳:船田晶子

Nature ダイジェスト Vol. 9 No. 9

DOI: 10.1038/ndigest.2012.120911

原文

Farewell, Lonesome George
  • Nature (2012-06-28) | DOI: 10.1038/486444a