Research Highlights

サンゴ礁は温暖化に耐えられる

Radius Images/Getty Images

気候変動によって、サンゴ礁生態系を構成する生物種が変わる可能性は高いが、それでもサンゴ礁全体が消滅することはなさそうだ。

ジェームズ・クック大学(オーストラリア・タウンズビル)のTerry Hughesの研究チームは、グレートバリアリーフ(写真)の全長に沿って、緯度にして13度の範囲にわたり、海面水温もさまざまな132か所で標本を採集した。採集した12のサンゴ分類群のうちの11群は、グレートバリアリーフ全体で存在量にかなりの相違が見られたが、そこには、高水温ストレスや白化現象に対する感受性の程度は関係していなかった。また、緯度や水温の変化にも従ってはいなかった。

このようにサンゴ礁は高い柔軟性を備えており、気候変動に伴って環境が変化しても、生態系機能を維持できるものと考えられる。

翻訳:船田晶子

Nature ダイジェスト Vol. 9 No. 7

DOI: 10.1038/ndigest.2012.120718a

原文

Can coral cope with climate change?
  • Nature (2012-04-19) | DOI: 10.1038/484290a

参考文献

  1. Curr. Biol. http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2012.02.068 (2012)