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異端を正統に変えた女性科学者

Credit: R. KRISHNAN/S. LINDQUIST

1992年の冬のある冷え込んだ日、当時シカゴ大学(米国イリノイ州)で生物学を研究していたSusan Lindquistは、抗がん剤に関する新しいアイデアについて相談するため、雪の中を歩いて大学キャンパス内の知的財産課に向かった。彼女が研究していたHsp90というタンパク質は、誤って折りたたまれた別のタンパク質を、正しい立体構造に戻すよう介添え役を務める分子である。ところがHsp90は、この能力を、腫瘍細胞の折りたたみ異常のある変異タンパク質にも発揮してしまい、異常タンパク質を活性化させて、がんの進行を助けてしまうのだ。そこでLindquistは、Hsp90を阻害すれば、がんを阻止できるのではないかと考えた。

しかし、酵母の実験に基づくLindquistのアイデアは、応対に出た知的財産課の担当者から「ばかげている」と一蹴されてしまった。彼女はその「あざ笑うような言い方」を今も忘れられない。「それは、私が研究職に就いてから経験した中で最も侮辱的な言葉の1つでした」。これが一因で、彼女はHsp90に関するがん研究を10年間にわたって封印することになる。ところが現在、10社を超える製薬会社が、このタンパク質の阻害剤をがん治療薬として研究開発中なのだ。今なら、こんな不当な扱いは受けずにすむはずだ。

Lindquistの過去20年にわたる研究は、進化、遺伝、そして地味でちっぽけな酵母について、常に既成の常識に挑戦するものだった。彼女の努力もあって、「プリオン」と呼ばれる感染性の折りたたみ異常タンパク質が酵母で遺伝の法則を覆すことや、この酵母プリオンをヒト疾患のモデル作製に使えることが明らかになった。彼女はまた、封印されていた変異を解放することで、生物が飛躍的に進化する仕組みを提案した。有名なホワイトヘッド生物医学研究所(マサチューセッツ州ケンブリッジ)の初めての女性所長となり、過去5年の間に10個余りの賞や勲章を受けている。Nature 2012年2月16日号に掲載された論文では、彼女の研究チームは、野生酵母のプリオンが、劣悪条件下での生存や薬剤耐性などにおいて、具体的な利益をもたらしていることを明らかにした1

Susan Lindquistの研究は、「熱ショック」に応答して作られるタンパク質から始まり、そこから広く大きく展開した。

SAM OGDEN FOR NATURE

Lindquistに驚かされるのは、これだけ異論の多いテーマに自信を持って取り組んでいるにもかかわらず、批判に対しては敏感なところだ。シカゴ大学の知的財産課でアイデアを拒否されたときに味わった痛みは、もう薄れたはずだ。そうではなく、彼女は今、現在の科学研究において、彼女が無礼だと思うことが増えつつあることを、悲しく思っているのだ。それは、一種の卑劣さであり、彼女はそれを、科学の進歩を脅かすものだと見ている。「今、研究の世界はますます品性下劣になり、競争が行きすぎて殺伐としていると思います」と彼女は言う。

熱ショックタンパク質の虜に

Lindquistは1971年に、ハーバード大学(マサチューセッツ州ケンブリッジ)のMatthew Meselson研究室で研究生活をスタートさせた。Meselsonは、遺伝子情報が複製されて継承される仕組みの解明に尽力したことで知られる生化学者である。「彼はすばらしい科学者でした」とLindquistは言うが、彼女が研究生活に入った頃、Meselsonは時間のほとんどを連邦政府の生物兵器禁止法案のロビー活動に費やしていた。「そのため、彼は全く研究室に来ませんでした」。

彼女は、研究初期の日々に指導教官がいないことで、強いストレスを感じた。「その状態が恐ろしく、辞めそうになったことも2、3度ありました」と彼女は話す。Lindquistは事実上1人で研究し、当時何人かが調べていた「熱ショック応答」と呼ばれる不思議な現象を探ろうと決心した。ショウジョウバエの幼虫を高温下に置くと、その染色体の特定領域が膨らむようにほどけ、それらの部位にある遺伝子からRNAが盛んに生成される。Lindquistは、培養したショウジョウバエの細胞を高温にすると、熱からの保護のためにHsp90などの熱ショックタンパク質を作り出す緊急応答を引き起こせることを示した2。この研究は、彼女のPhD取得につながり、最終的に研究業績の大枠を形作ることになる。

Lindquistがこのデータを公表すると、「大勢の人が、こんなのはナンセンスだと言いました」と彼女は打ち明ける。同じ分野の研究者たちは、熱でタンパク質が変性した人為的な結果にすぎないとして、この知見に取り合わなかった。研究成果が掲載されたのは一流の学術誌だったが、こうした批判が出たことでLindquistはショックを受けた。彼女の当時の研究室仲間であり共同研究者で、親しい友人でもあったSteven Henikoff(現在はワシントン州シアトルのフレッド・ハッチンソンがん研究センターに在籍)は、「まともな人間は、この分野では生き残っていけないのではないか」と思ったという。

取得したてのPhDを携え、Lindquistは1976年にシカゴ大学で博士研究員となった。その2年後、同大学は彼女に終身在職資格(テニュア)コースに乗る地位を与えた。Lindquistは酵母の熱ショックタンパク質に関心を持つようになったが、その理由の一部は、彼女にとっては酵母のほうがショウジョウバエより遺伝子操作が簡単にできたからだ。教室員の1人は、テニュアを得るまでは研究対象の生物を変えないほうがよい、と忠告してくれたが、Lindquistはその助言を無視した。どっちみちテニュアを得るチャンスはほとんどないと考えていたからだ。「当時、女性が科学分野でテニュアを得るのは、ものすごく難しかったのです」。そこで、自分が最もミステリアスで魅力的だと感じるテーマを追求することにしたのだった。

最近の若手研究者には、こうした思い切りのよさを欠く人が少なくない、とLindquistは嘆く。彼女は学生や博士研究員を説得して、リスクのある研究をさせようと四苦八苦してきた。ところが、そうすることを決意した彼らを、なんと研究室の仲間がばかにしていたのだ。「それを知ったときはショックを受けました」とLindquistは言う。彼女自身、自分が間違っているのではないか、と常に考え続けてきた。そして、そうしたおそれが何度も何度も実験を繰り返すことにつながった。しかし、「新しいアイデアを追いかけることについては、心配などしたことはありませんでしたから・・・・・・」 と言う。

Lindquistが発展させた新しいアイデアは、ほとんどが抵抗に遭った。1993年の後半に、Hsp104という熱ショックタンパク質がタンパク質の凝集塊を解きほぐして分解する可能性を提案したとき、Natureは最初、その論文を却下した。大多数の人が、彼女のアイデアはばかげたものだと攻撃したという。「この内容について私が話をしたとき、懐疑的な人から全く信じない人まで、反応はさまざまでした」。この研究は結局、翌年になってNatureに受理・発表されることになる3

いったん却下された論文原稿を見ていたとき、当時イリノイ大学シカゴ校のSusan Liebman研究室にいたポスドクのYury Chernoffから電話が入った。それは、酵母の一部の株に見られる奇妙な色に、Hsp104が影響することを見つけたという知らせだった。1965年、英国のリバプール大学にいた遺伝学者Brian Coxが、[PSI+]と呼ばれるこの酵母の色の形質を最初に報告していた4。酵母の白い株と赤い株とを交配した場合、従来の遺伝学理論では、その子孫は赤と白の株の両方が入り交じるはずだが、実際には白い株しかできないことにCoxは気付いた。1つの仮説は、この色の形質が、遺伝子によってではなく、自己複製する病原性プリオンのように働く「折りたたみ異常タンパク質」によって継承されていく、というものだった。病原性プリオンは、クロイツフェルト・ヤコブ病などの致死的な神経疾患を引き起こすことが知られている。

酵母プリオンの研究を開拓

プリオンは集合して長い「アミロイド」繊維を形成する。LindquistはChernoffとともに研究を進め、Hsp104がSup35というタンパク質からなる繊維をばらばらにすることで、酵母の[PSI+]形質を制御する仕組みを明らかにした5。これらのSup35繊維の短い断片が娘細胞に受け継がれ、これが鋳型となってさらにSup35繊維が形成されるのだ。Lindquistは、「酵母のプリオンが親細胞から娘細胞へと受け渡されるようすは、まるで魔法を見ているようでした」と話す。しかも、この研究結果は、単純な酵母細胞が、ヒト神経変性疾患を起こすプリオンタンパク質の研究に使える可能性を示していた。しかし、この新しいアイデアもまた、容易には受け入れられなかった。

その後15年にわたって、Lindquistは酵母プリオンの研究を充実・展開させてきた。現在、学術誌Prionの編集長を務め、ジョージア工科大学(アトランタ)を研究拠点にするChernoffは、酵母プリオンの研究に現在使われている生化学技術や分子的手法の多くはLindquistが開拓したものだ、と指摘する。そして、異論の多い彼女の仮説もまた、この研究分野を前進させる議論のきっかけとなり、新しい実験の誘い水になったという。例えばLindquistは、酵母プリオンが広く存在していて、水溶性の活性状態と繊維状の不活性状態の間を行き来できるため、場合によっては研究に役に立つのではないかと示唆したのだ6

大方の研究者は、Lindquistが観察した酵母プリオンは、強制的な実験培養技術によってタンパク質を不自然な方法で人工的に作り出したものにすぎない、と見なした。しかし、Lindquistは最も新しい論文1で、調べた700ほどの酵母株のうちの約3分の1に、プリオンが存在することを明らかにした。そのうちのほぼ半数で、プリオンは有益な形質をもたらしているように見える。例えば白ワインから分離した株は、酸性環境や抗菌剤フルコナゾールに耐性がある。また、ワイン用ブドウ品種ランブルスコから採取した酵母株は、DNA損傷剤に耐性がある。そして、これらの株からプリオンを除去すると、こうした有用な形質が消えてしまうのだ。

Hsp90が生物進化に関与する?

これらのショウジョウバエの形態異常を引き起こした変異は、正常な外見のハエにも存在しているが、そうした影響は通常、「シャペロン」タンパク質によって封じ込められている。

REF. 7

LindquistはHsp90に関する研究も続けている。1990年代に彼女がショウジョウバエでHsp90を作る遺伝子の両コピーを欠損させたところ、そのハエは死んでしまった。しかし、片方のコピーのみを欠損させると不思議なことが起こった。縮小した眼や四角い眼、縮んだ翅や曲がった脚など、変形した身体部位を寄せ集めたようなハエが生まれたのである7

Lindquistは、Hsp90が有害な変異を含むタンパク質に付き添い、機能する形状になるよう助けることで、変異の有害な影響を封じ込めているのだと考えた(こうした折りたたみの介添え役をするタンパク質をシャペロンと呼ぶ)。だから、Hsp90の半分を除去すると、全体に行き渡るだけのHsp90がなくなって、タンパク質が正しく折りたたまれなくなり、封じ込められていた変異すべての有害な影響が表に現れたのである。Lindquistは、これと同じことが、飢餓などの自然の危機的状態や、温度またはpHの変化に際して起こるのだと考えた。環境の激変はタンパク質の折りたたみ異常を増やし、こうしたタンパク質に利用可能なHsp90が動員されてしまい、誤った折りたたみのタンパク質が余分に残されて、これらが新しい形質を進化させるのだと考えられる。この折りたたみ異常の大半は有害なものだろうとLindquistは言う。しかし、そのどれかが、新しい環境条件によく適応した細胞を生み出せば、生き延びて繁栄できる可能性が生まれる。

LindquistはHsp90を、進化上の変化を起こすための「コンデンサー」だと考えている。Hsp90は、電気エネルギーを蓄えるコンデンサーと同様に、隠れた変異をゲノム内にため込んでいく。環境のストレス要因がそのスイッチを入れると、ため込まれていた変異が一気に解き放たれるというわけだ。Lindquistは、植物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)でも同様の作用を見つけた。熱ショックタンパク質系をストレス条件下に置くと、上向きの根や余分な根、風変わりな渦巻き状の葉、黒っぽい色などが現れたのである8。Lindquistは、この現象を調べることで、植物に隠れている変異を見つけ出したり、耐乾燥性や耐塩性などの形質の基盤を解明したりするための、強力な方法が得られるのではないかと考えている。

ただ、こうしたアイデアがまさか研究界を混乱させるとは、Lindquist自身は思ってもいなかった。進化生物学者の多くは、進化はゆっくりと狭い歩幅で進むという説を支持し、彼女が提案したような大きな爆発的進化は支持していなかったのだ。エディンバラ大学(英国)の進化遺伝学者Nick Bartonは、必要となったときにシャペロン系が「有用」な変異を解き放つという考え方には、議論の余地があると言う。「シャペロンが適応的な役割を示すことについて、証拠が十分あるとはとても思えません」。

一方で、彼女の仮説をもう少し受け入れている研究者もいる。ニューヨーク市立大学大学院センターの進化生物学者で哲学者のMassimo Pigliucciは、この仕組みを進化理論に組み込むべきだと話す。彼によれば、Lindquistは実験に基づいて、以前からあった説を肉付けしたのだという。ただし彼は、「生物の各系統の進化に、これらがどの程度重要なのだろうか」と問いかけ、それを解明するには20年はかかりそうだと話している。

神経変性疾患の研究へ

2001年8月、Lindquistはシカゴ大学からホワイトヘッド生物医学研究所に移り、所長に就任した。名誉ある地位だったが、疲れる立場でもあったため、所長を務めたのはわずか3年間だった。彼女は、ホワイトヘッド生物医学研究所と、そのゲノム研究センターとの切り離しに立ち会った。同センターは、ヒトゲノムプロジェクトのために多くのデータを提供し、塩基配列解読の推進役の1つとなった。所長の地位は資金繰りに悩まされる面倒な役職であり、その間彼女は、科学研究、なかでも疾患関連の研究に注力したい気持ちをずっと抱いていた。

彼女は開発に直接かかわったことはないが、Hsp90阻害剤はすでに有望性をある程度見せ始めている。20件以上の臨床試験で、それら阻害剤のがんでの効果が調べられているところだ。「これは現在、注目の話題です」と言うのは、20年前に最初のHsp90阻害物質を見つけた、国立がん研究所(米国メリーランド州ロックビル)のがん生物学者Len Neckersである。これらの阻害剤は、免疫系の働きが低下している人に致死的感染症を起こす薬剤耐性真菌も標的にできるかもしれない9

Lindquistのタンパク質折りたたみに対する深い造詣は、神経変性疾患の研究へと結びついた。アミロイド繊維は、アルツハイマー病やパーキンソン病、ハンチントン病でも見られる。Lindquistはこうした病態でのHsp90の作用を調べるモデルとして、酵母を考えた。2011年に発表した研究10で彼女は、アルツハイマー病の特徴の1つであるアミロイド–βタンパク質の凝集体が酵母でも毒性を持ち、増殖を遅くさせることを明らかにした。次に、酵母モデルを使って、この毒性に影響を及ぼしそうな遺伝子を見つけるために、5000個の酵母遺伝子をスクリーニングした。このやり方は成功し、40個の遺伝子が見つかった。そのうち12個はヒトにも相同遺伝子があり、1個はアルツハイマー病のリスク因子として知られるものだった。また別の2個は、既知のリスク因子と相互作用する因子だった。

彼女の今の望みは、アルツハイマー病のアミロイド形成につながる最初の段階を、酵母で突き止めること、そして、アミロイド形成を防ぐ薬剤を見つけ出すことである。しかし、こうしたやり方に驚く人は、依然として少なくない。「多くの人は、まさかアルツハイマー病やパーキンソン病などの疾患を酵母でモデル化できるなんて、思ってもいませんでした。酵母は単細胞ですし、寿命も短く、もちろん脳などありませんからね」と、ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)の神経遺伝学者Nancy Boniniは話す。

健全な科学研究体制に戻れ!

彼女が出した助成金交付申請書は、賛否両論の入り乱れた評価を受けたとLindquistは語り、「寛容な表現で言えばですが・・・・・・」と言い添えた。彼女によれば、優秀なアイデアを持つ多くの勤勉な研究者であっても、いまや研究企画案が却下されているという。そして、資金獲得が難しい現在の状況が、助成金や論文審査の評価に関して、むきだしの激しい議論を助長しているのではないかと懸念する。「優秀な研究者たちは疲れ果て、うんざりし、不機嫌になっています。そんな彼らが論文を審査しているのですよ」。彼女はいったん言葉を切り、身を正してから、きっぱりとこう言った。

「我々は立ち止まってこう言うべきだと思います。ダメ。こんなことをしちゃいけません。誰かがあなたに意地悪をしたからといって、ほかの誰かに意地悪をしてはいけません、とね」。

恩師のMeselsonは彼女に、倫理にかない、血の通った科学研究の重要性をしっかり教えてくれたとLindquistは話す。彼女もMeselsonにならって、指導する実習生にそのことを伝えようと努力してきた。2010年後半に彼女は、「私にとって重要な3つの全く異なること」という題名の短いコメンタリーを書いた11。その3つとは、「広く考え、広く鍛えよ」「優しく寛大であれ、誰かをつぶそうなどと思うな」、そして「信念を持て」である。

1つ目は彼女の研究姿勢、2つ目は成功した彼女に対する研究仲間の人物評、そして3つ目は彼女自身から、それぞれ出てきた言葉だ。「教え子たちの将来について考えると、本当に心配の種が尽きません」と彼女は言う。世界中で見られる環境、社会、経済、政治上の不幸な出来事を次々と挙げていくうちに、彼女の目は潤んでいった。「これから私は講義に行きますが、そこで私は、誰かが立ち上がって自身の研究について話すのを聞くのです。彼ら若者はすばらしい仕事をしています。私はこの職業に身を捧げ、希望をもらっているのですよ」。

翻訳:船田晶子

Nature ダイジェスト Vol. 9 No. 5

DOI: 10.1038/ndigest.2012.120522

原文

Outside the fold
  • Nature (2012-02-16) | DOI: 10.1038/482294a
  • Bijal P. Trivedi
  • Bijal P. TrivediはワシントンDC在住のフリーランスライター。

参考文献

  1. Halfmann, R. et al. Nature 482, 363–368 (2012).
  2. McKenzie, S. L., Henikoff, S. & Meselson, M. Proc. Natl Acad. Sci. USA 72, 1117–1121 (1975).
  3. Parsell, D. A. et al. Nature 372, 475–478 (1994).
  4. Cox, B. S. Heredity 20, 505–521 (1965).
  5. Chernoff, Y. O., Lindquist, S. L., Ono, B., Inge-Vechtomov, S. G. & Liebman, S. W. Science 268, 880–884 (1995).
  6. Alberti, S., Halfmann, R., King, O., Kapila, A. & Lindquist, S. Cell 137, 146–158 (2009).
  7. Rutherford, S. L. & Lindquist, S. Nature 396, 336–342 (1998).
  8. Queitsch, C., Sangster, T. A. & Lindquist, S. Nature 417, 618–624 (2002).
  9. Cowen, L. E. & Lindquist, S. Science 309, 2185–2189 (2005).
  10. Treusch, S. et al. Science 334, 1241–1245 (2011).
  11. Lindquist, S. Mol. Biol. Cell 21, 3804 (2010).