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動的カシミール効果を初めて検証!

Nature ダイジェスト Vol. 9 No. 2 | doi : 10.1038/ndigest.2012.120228

原文:Nature (2011-11-17) | doi: 10.1038/479303a | Shaking photons out of the vacuum

Diego A.R.Dalvit

物体の加速度運動に伴って量子真空から光子が生成する現象を、動的カシミール効果と呼ぶ。今回、鏡が超高速で動くのと同等の仕組みを、超伝導回路を利用した実験で実現し、この効果を初めて実証した。

図1:実験系
動的カシミール効果が実証された実験系。aは光学顕微鏡で見た全体像で、暗い部分はシリコンで、明るい大部分のところはアルミニウムで作られている。上方から来ているのが駆動線で、左方向に出力するのがCPW(コプレナー導波路)。この部分の左右の長さは0.1mm。両者の交差部分にSQUIDが置かれている。bがその走査電子顕微鏡写真。

Ref.3

量子論によれば、真空は、生成と消滅を絶え間なく繰り返す仮想粒子で満たされている。この真空のゆらぎは、カシミール効果1など、測定可能な現象をも引き起こす。この(静的)カシミール効果とは、仮想光子が静止物体に及ぼす圧力によって生じる現象だ。一方で、1970年、Gerald Moore2は、加速度運動する物体が、量子真空の揺らぎから本物の光子を生成させるという理論を提唱した。これが“動的”カシミール効果だ。今回、Nature 2011年11月17日号376ページにおいて、Wilsonらは3、振動する鏡と同じ状況を作り出す実験系を、超伝導回路を用いて考案し、この動的カシミール効果を初めて実証したと報告した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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