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哺乳類トゲマウスに見られる皮膚の剥落および再生能力

Nature ダイジェスト Vol. 9 No. 12 | doi : 10.1038/ndigest.2012.121224

原文:Nature (2012-09-27) | doi: 10.1038/489508a | Skin, heal thyself

Elly M. Tanaka

アフリカトゲネズミは、手でつかんだだけで背中の皮膚が60%も剥がれてしまう。そしてこの剥がれた皮膚は、その後きれいに治癒する。今回、この驚異的な剥落能力と治癒能力を分析することで、組織再生の分子的・生体工学的機構の一端が明らかになった。

トカゲが尾を切って捕食者から逃れることはよく知られており、この行動は「自切」と呼ばれている。トカゲのような爬虫類の尾の筋組織と骨は、必要が生じれば、決まった面で切断してもさしつかえない構造になっている1。その後治癒したときには、構造的には不完全ながらも、機能する新しい尾が再生する2。一方、珍しいペットの飼い主しか知らないと思われるが、アフリカトゲネズミ(Acomys〈トゲマウス〉属)は、尾の皮膚を脱ぎ捨てることによって敵から逃れる。今回、Nature 9月27日号でSeifertら3は、このトゲマウスの尾の皮膚で見られる剥落と再生が、体のほかの部分にも認められることを明らかにし、この魅力的で、臨床応用の可能性もある能力の、分子的・構造的基盤の詳細を明らかにした。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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