News & Views
壊れるよりも速い量子もつれ生成を10 kmの光ファイバーで達成
現在の遠距離通信の基盤は、情報を光のパルスに符号化し、世界中に送る光ファイバーのネットワークだ。将来、量子情報を伝えるためにも同じ光ファイバーネットワークが使われるかもしれない。量子情報の伝送は、破ることができない暗号化を可能にし、量子コンピューターと量子センサーの潜在力を完全に解放する。量子力学では、2つの物体は量子もつれになることが可能であり、量子もつれは、2つの物体がもはや、ばらばらの物体としては記述できないことを意味する。一方の物体の記述はもう一方の物体を含まなければならないのだ。量子ネットワークがその威力を発揮できるかは、離れたネットワークノード(連結点)間の量子もつれを速く、確実に確立できるかにかかっている。中国科学技術大学(安徽省合肥市)のWen-Zhao Liuらは、巻き軸に巻かれた最長101 kmの遠距離通信用光ファイバーで連結された、2個のトラップされたイオン間の量子もつれをNature 2026年4月2日号51ページで報告した1。
全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。
本サービスでは、サイトご利用時の利便性を向上させるためにCookiesを使用しています。詳しくは、シュプリンガーネイチャー・ジャパン株式会社の「プライバシー規約」をご覧下さい。
翻訳:新庄直樹
Nature ダイジェスト Vol. 23 No. 7
DOI: 10.1038/ndigest.2026.260763
原文
Long-distance quantum link generates entanglement faster than it is lost- Nature (2026-04-02) | DOI: 10.1038/d41586-026-00804-5
- Ronald Hanson & Tracy Northup
-
Ronald Hansonはデルフト工科大学QuTech(オランダ)に所属
Tracy Northupはインスブルック大学(オーストリア)に所属
参考文献
- Liu, W.-Z. et al. Nature 652, 51–57 (2026).
- Hucul, D. et al. Nature Phys. 11, 37–42 (2015).
- Humphreys, P. C. et al. Nature 558, 268–273 (2018).
- Main, D. Nature 638, 383–388 (2025).
- Nadlinger, D. P. et al. Nature 607, 682–686 (2022).
- Liu, J.-L. et al. Nature 629, 579–585 (2024).
- Stolk, A. J. et al. Sci. Adv. 10, eadp6442 (2024).
- Lu, B.-W. et al. Science 391, 592–597 (2026).
- Canteri, M. et al. Phys. Rev. Lett. 135, 080801 (2025).
関連記事
2026年8月号
2026年8月号
2026年8月号
2026年8月号
Advertisement