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台湾が健康のための遺伝情報資源に投資

図1 台湾の首都である台北の人々 Credit: Alamy

健康関連形質に関与する遺伝的バリアントの発見は、大規模コホートの遺伝情報と健康情報の解析に依存している。しかし、こうした種類の研究では、代表的に用いられる遺伝的祖先系統の不均衡が長年の課題となっており、人類の大部分の集団がその恩恵から取り残されてきた1。複雑な人口動態過程(例えば、地理的近接性や共通の歴史に左右される移住)により、世界中で数百万もの遺伝的バリアントの頻度が異なっている。従って、ある集団で特定の形質と関連付けられたバリアントが、別の集団では頻度が低い、あるいは全く存在しないこともある。十分に研究されていない集団を遺伝情報資源に含めることで、科学者は健康形質や疾患の原因となり得るバリアントを発見し、正確にマッピングできるようになる2。このほど、Nature 2025年12月4日号に掲載された2つの研究3,4は、あまり研究されてこなかった集団を対象とした新たな大規模研究、すなわち「台湾精密医療イニシアチブ(TPMI)」の力を実証している。TPMIは、台湾の約50万人の参加者から得た遺伝データと電子医療記録データから構成される。

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翻訳:三谷祐貴子

Nature ダイジェスト Vol. 23 No. 3

DOI: 10.1038/ndigest.2026.260354

原文

Taiwan invests in genetic resource for health
  • Nature (2025-12-04) | DOI: 10.1038/d41586-025-03447-0
  • Genevieve L. Wojcik
  • ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院(米国メリーランド州ボルティモア)に所属

参考文献

  1. Wojcik, G. L. Cell 185, 4256–4258 (2022).

  2. Wojcik, G. L. et al. Nature 570, 514–518 (2019).

  3. Yang, H.-C. et al. Nature 648, 117–127 (2025).

  4. Chen, H.-H. et al. Nature 648, 128–137 (2025).

  5. Mallick, S. et al. Nature 538, 201–206 (2016).

  6. Spracklen, C. N. et al. Nature 582, 240–245 (2020).

  7. MacArthur, J. et al. Nucleic Acids Res. 45, 896–901 (2017).

  8. Mayo, K. R. et al. Annu. Rev. Biomed. Data Sci. 10, 443–464 (2023).

  9. Mutz, J., Roscoe, C. J. & Lewis, C. M. BMC Med. 19, 240 (2021).

  10. Knapp, E. A. et al. Am. J. Epidemiol. 192, 1249–1263 (2023).

  11. Abul-Husn, N. S. & Kenny, E. E. Cell 177, 58–69 (2019).