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「面内」型のアヌレン金属錯体を実現

1950年代、金属原子に2つの平面環状炭化水素が配位した「サンドイッチ化合物」に関する画期的な研究1を機に、有機金属化学の分野は急成長を遂げた。有機金属化学とは、炭素原子と金属原子の間に結合を持つ一連の化合物を研究する学問である。今日では、膨大な数の有機金属化合物が合成され、その多くは触媒科学や材料科学で極めて重要な役割を果たしているが、新しいクラスの有機金属化合物の発見はまれである。そんな中、南方科技大学(中国深圳)の徐宾彬(Binbin Xu)ら2はこのたび、これまで合成することができなかったタイプの有機金属分子を見事合成し、Nature 2025年5月1日号106ページで報告した。これらの分子は通常とは異なる電子構造を持ち、さまざまな応用向けのビルディングブロックとして有望である。

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翻訳:藤野正美

Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 8

DOI: 10.1038/ndigest.2025.250850

原文

Metal-cored molecule is the first of its kind
  • Nature (2025-05-01) | DOI: 10.1038/d41586-025-01135-7
  • Rebecca Musgrave
  • ロンドン大学キングスカレッジ(英国)に所属

参考文献

  1. Fischer, E. O. & Hafner, W. Z. Naturforsch. B 10, 665–668 (1955).
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