宇宙ミッションに適した超弾性チタン合金
NASAの月面車Lunar Roving Vehicle。 Credit: NASA
ほぼ全ての金属は高強度化可能だが、金属をゴムのように柔軟かつ可逆的に、伸び縮みさせたり曲げ伸ばししたりするのは大変な難題である。これはどうしてだろうか? 材料を引き伸ばすと、結晶格子中に欠陥が形成されるため、ひずみエネルギー(応力印加によって蓄えられるエネルギー)が散逸される。これにより、回復可能な変形量(回復性ひずみ)が0.5%未満に制限され、永続的な形状変化が起こる。従って金属は、永続的形状保持に長け、耐破断性はあるものの、大きな形状変化を繰り返す用途には適さない。今回、東北大学のYuxin Songら1は、機械的強度が高いのに広い温度範囲にわたって5%以上のひずみを回復するという素晴らしい軽量チタン合金を開発し、Nature 2025年2月27日号965ページで報告した。この材料は、生体医用デバイス、エネルギーインフラ、宇宙探査への応用が期待される。
全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。
本サービスでは、サイトご利用時の利便性を向上させるためにCookiesを使用しています。詳しくは、シュプリンガーネイチャー・ジャパン株式会社の「プライバシー規約」をご覧下さい。
翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 5
DOI: 10.1038/ndigest.2025.250544
原文
Superelastic titanium alloy has potential for space missions- Nature (2025-02-27) | DOI: 10.1038/d41586-025-00301-1
- Shaolou Wei & Dierk Raabe
- 共にマックス・プランク持続可能材料研究所(ドイツ)に所属
参考文献
- Song, Y. et al. Nature 638, 965–971 (2025).
- lander, A. Z. Kristallogr. Cryst. Mater. 83, 145–148 (1932).
- Leyens, C. & Peters, M. Titanium and Titanium Alloys (Wiley, 2003).
- Mohd Jani, J., Leary, M., Subic, A. & Gibson, M. A. Mater. Des. 56, 1078–1113 (2014).
- Otsuka, K. & Ren, X. Prog. Mater. Sci. 50, 511–678 (2005).
Williams, D. R. The Apollo Lunar Roving Vehicle (NASA, 2016); available at https://go.nature.com/3cyqslu
関連記事
Advertisement