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エストロゲンは腎臓損傷を防ぐ

急性腎障害は臨床上の重要な問題である。罹患率が高く、分子標的療法がほとんどない。疫学研究では一貫して、女性、特に閉経前の女性は男性より急性腎障害を起こす可能性が低く、予後も良好であることが示されている1。しかし、この性差の根底にある分子機構は不明のままであった。この機構がフェロトーシスを基盤とするものであることを、ドレスデン工科大学(ドイツ)のWulf Tonnus、およびルプレヒト・カール大学ハイデルベルク(ドイツ)のFrancesca MaremontiとShubhangi Gavaliら2が、Nature 2025年9月25日号1011ページに説得力を持って示している。フェロトーシスは、制御された細胞死の一形態で、鉄依存性の脂質過酸化によって引き起こされる3

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翻訳:古川奈々子

Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 12

DOI: 10.1038/ndigest.2025.251249

原文

Oestrogen defends against kidney damage caused by iron-dependent cell death
  • Nature (2025-09-25) | DOI: 10.1038/d41586-025-02422-z
  • Tom Vanden Berghe
  • アントワープ大学およびゲント大学(共にベルギー)に所属

参考文献

  1. Golestaneh, L. et al. Am. J. Kidney Dis. 85, 329–338 (2025).
  2. Tonnus, W. et al. Nature 645, 1011–1019 (2025).
  3. Dixon, S. J. et al. Cell 149, 1060–1072 (2012).
  4. Doll, S. et al. Nature 575, 693–698 (2019).
  5. Bersuker, K. et al. Nature 575, 688–692 (2019).
  6. Sun, X. et al. J. Pharmacol. Exp. Ther. 392, 100050 (2025).
  7. Delgado, C. et al. Cardiovasc. Res. 120, cvae088.057 (2024).
  8. Van San, E. et al. Cell Death Differ. 30, 2092–2103 (2023).

  9. Dixon, S. J. & Olzmann, J. A. Nature Rev. Mol. Cell Biol. 25, 424–442 (2024).