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AI支援によって実現した、濡れた表面でも機能する超接着性ゲル

湿潤環境で使用できる超接着性ハイドロゲル(ヒドロゲル)は、例えば、外科手術の際に組織を接着・密封して出血を止める接着剤や、創傷の治癒や組織の再生を促すゲルとして、また、船舶や海洋構造物の水面下部分で使う材料としてなど、多くの用途で必要とされている。しかし、材料に柔軟性をもたらす特性と強い接着性をもたらす特性は相いれない場合が多く、そうしたハイドロゲルの設計は困難である。さらに、特定の用途向けの機能性ハイドロゲルを発見するための従来のアプローチは、基本的に試行錯誤で、コストと時間がかかるため、臨床応用や産業応用に移行可能な材料の開発が大きく制限されてきた。このたび、北海道大学(札幌市)の龔剣萍(Jian Ping Gong)と瀧川一学(たきがわ・いちがく)が率いる研究チーム1は、人工知能(AI)の支援を受けて超接着性ハイドロゲルを設計する革新的な解決策を考案し、実際にそうした高性能ハイドロゲルを開発・実証して、Nature 2025年8月7日号89ページで報告した。

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翻訳:藤野正美

Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 11

DOI: 10.1038/ndigest.2025.251149

原文

AI learns from nature to design super-adhesive gels that work underwater
  • Nature (2025-08-07) | DOI: 10.1038/d41586-025-02252-z
  • Laura Russo
  • ミラノ・ビコッカ大学(イタリア)に所属

参考文献

  1. Liao, H. et al. Nature 644, 89–95 (2025).
  2. Merchant, A. et al. Nature 624, 80–85 (2023).
  3. Szymanski, N. J. et al. Nature 624, 86–91 (2023).
  4. Wang, Y., Wallmersperger, T. & Ehrenhofer, A. Eng. Rep. 6, e12893 (2024).
  5. Nadernezhad, A. & Groll, J. Adv. Sci. 9, 2202638 (2022).
  6. Chen, B. et al. Adv. Funct. Mater. 32, 2201843 (2022).
  7. Chen, H., Liu, Y., Balabani, S., Hirayama, R. & Huang, J. Research 6, 0197 (2023).