ヨーヨーダイエットは心血管疾患を促進させる
食事と心血管疾患の関係は数十年にわたって研究され、両者の関連はよく知られているが、心臓と血管の健全性に最適な食事に関しては多くの議論がある1,2。アテローム動脈硬化(血管内に脂肪性プラークが形成されて心血管疾患の大きな原因となる)の科学的見解は、継続的に高脂肪食を与えられているマウスの研究によるものが多い。しかし、人間は実生活においていつも同じものを食べているわけではなく、ヨーヨーダイエット(ダイエットとリバウンドの繰り返し)はよくあることだ。食生活を変えたり元に戻したりというパターンや、それによって生じる体重の変化は健康に良くないのではないかと考えられてきたが3、裏付けるデータは乏しく、そのメカニズムもよく分かっていない。Nature 2024年10月10日号に掲載された2つの独立した補完的な研究論文4,5では、高脂肪食と低脂肪食を交互に繰り返すことの影響がマウスで調べられた。どちらの研究も、驚くべきことに、高脂肪食と低脂肪食を交互に取った場合、継続的に高脂肪食を食べるよりもアテローム動脈硬化が著しく悪化することを明らかにしている。これら2つの研究は、ヨーヨーダイエットが心臓に悪影響を及ぼす可能性があるという見方を支持しており、こうしたダイエットが心血管疾患を促進するメカニズムに関する知見をもたらした。
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翻訳:小林盛方
Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 1
DOI: 10.1038/ndigest.2025.250138
原文
Yo-yo dieting accelerates cardiovascular disease by reprogramming the immune system- Nature (2024-09-24) | DOI: 10.1038/d41586-024-03030-z
- Daniel J. Rader & Kate Townsend Creasy
- 共にペンシルベニア大学ペレルマン医学系大学院(米国)に所属 Creasyは同大学看護学系大学院にも所属
参考文献
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