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赤泥から鉄を抽出する
鉄鋼は世界で最も生産量の多い金属であり、アルミニウムもそれに次ぐ生産量を誇る1が、どちらも環境コストが高い。鋼の製造には化石燃料(石炭)が必要で、鋼1 t当たり約2 tの二酸化炭素が排出されており2、アルミニウムの製造では、環境面で問題のある廃棄物がアルミニウム1 t当たり2~4 t排出されている3。マックス・プランク鉄鋼研究所(ドイツ・デュッセルドルフ)のMatic Jovičević-Klugら4はこのたび、アルミニウムの廃棄物問題に対処するだけでなく、カーボンニュートラルな製鋼も実現し得るプロセスを開発し、Nature 2024年1月25日号703ページで報告した。この単純なプロセスは、2つの主要な金属産業の持続可能性を向上させる可能性がある。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 4
DOI: 10.1038/ndigest.2024.240444
原文
Iron extracted from hazardous waste of aluminium production- Nature (2024-01-25) | DOI: 10.1038/d41586-024-00071-2
- Chenna Rao Borra
- インド工科大学カラグプル校に所属。
参考文献
- Daehn, K. et al. Nature Rev. Mater. 7, 275–294 (2022).
- Vogl, V., Olsson, O. & Nykvist, B. Joule 5, 2646–2662 (2021).
- Evans, K., Nordheim, E. & Tsesmelis, K. in Light Metals 2012 (ed. Suarez, C. E.) 63–66 (Springer, 2012).
- Jovičević-Klug, M., Souza Filho, I. R., Springer, H., Adam, C. & Raabe, D. Nature 625, 703–709 (2024).
- Wu, P. et al. J. Indus. Eng. Chem. https://doi.org/10.1016/j.jiec.2023.11.038 (2023).
- Evans, K. J. Sustain. Metall. 2, 316–331 (2016).
- Cavaliere, P. in Hydrogen Assisted Direct Reduction of Iron Oxides 321–338 (Springer, 2022).
- Souza Filho, I. R. et al. Acta Mater. 213, 116971 (2021).