Feature
ペロブスカイトは太陽光発電の未来を担えるか
ドイツ、ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル郊外の自動車販売店や金物屋が立ち並ぶ一角に、太陽光発電(PV)の秘密がぎっしりと詰まった2階建ての建物がある。ここは、英国のオックスフォードPV社(Oxford PV)が、ペロブスカイトを使った商用太陽電池を生産している工場だ。ペロブスカイトは、一部に「将来のグリーンエネルギーの担い手」とうたわれている、安価で豊富に存在する太陽光発電材料である。荒れ放題の芝生と雑草だらけの駐車場に囲まれたこの工場は、変革をもたらし得る技術を育む揺り籠としては地味だが、同社の最高技術責任者Chris Caseは、明らかにこの場所にほれ込んでいる。「ここは私の夢の集大成です」と彼は言う。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 3
DOI: 10.1038/ndigest.2024.240332
原文
A new kind of solar cell is coming: is it the future of green energy?- Nature (2023-11-30) | DOI: 10.1038/d41586-023-03714-y
- Mark Peplow
- 英国ペンリスを拠点とする科学ジャーナリスト。
参考文献
- Haegel, N. M. et al. Science 380, 39–42 (2023).
- Duan, L. et al. Nature Rev. Mater. 8, 261–281 (2023).
- Ehrler, B. et al. ACS Energy Lett. 5, 3029–3033 (2020).
- Babics, M. et al. Cell Rep. Phys. Sci. 4, 101280 (2023).
- Wan, J. et al. Solar Energy 226, 85–91 (2021).
- Jean, J., Woodhouse, M. & Bulović, V. Joule 3, 2824–2841 (2023).