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細孔によるタンパク質配列解読へ新たな一歩
ヒトゲノム計画の完了後間もなく、タンパク質をコードする塩基配列として特定された約2万のDNA断片だけでは、我々の体を構成する細胞の構造や機能の多様性を説明するには極めて不十分であることが分かった。これ以降、DNA配列はタンパク質の多様性が生じる出発点にすぎないと見なされている。すなわち、遺伝子の断片をつなぎ合わせることで、ゲノム配列に直接表れていないタンパク質バリアントのコードが出来上がるし、また、新生タンパク質は化学的に修飾されることで機能の再プログラム化ができるのだ。
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翻訳:三谷祐貴子
Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 12
DOI: 10.1038/ndigest.2024.241243
原文
Thread, read, rewind, repeat: towards using nanopores for protein sequencing- Nature (2024-09-11) | DOI: 10.1038/d41586-024-02664-3
- Aleksei Aksimentiev
- イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(米国)に所属
参考文献
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