News in Focus

研究活動のCO2排出量はいか程?

天文台の運用には膨大なエネルギーが必要だ。 Credit: Getty

ベイカー心臓・糖尿病研究所(オーストラリア・メルボルン)の計算生物学者Michael Inouyeは、自身の研究活動による二酸化炭素(CO2)排出量のことが以前から常々気になってはいたが、何もしてこなかった。そんな彼に行動を起こすことを決意させたのは、2019年と2020年にオーストラリアで発生した未曽有の山火事だった。世界では近年、気候変動の影響により大規模な山火事が発生しやすくなっていて、彼の研究所も山火事のため閉鎖されていた。2020年、Inouyeは2人の博士課程学生と共に、コンピューターを使った彼ら自身の研究が排出するCO2量を測定し始めた。彼らはこのプロジェクトで、科学者が自身の研究活動に伴うカーボンフットプリント(温室効果ガスの排出量を二酸化炭素に換算して、その総量を算定したもの)を見積もってCO2排出量を削減するための無料のオンライン計算機「Green Algorithms」(go.nature.com/3m8xsof)を開発した。

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 7

DOI: 10.1038/ndigest.2023.230708

原文

How green is your research? These scientists are cutting their carbon footprints
  • Nature (2023-03-28) | DOI: 10.1038/d41586-023-00837-0
  • Myriam Vidal Valero

参考文献

  1. Qin, Y. et al. Nature Genet. 54, 134–142 (2022).
  2. Martin, P. et al. Nature Astron. 6, 1219–1222 (2022).
  3. Adshead, F. et al. Lancet 398, 281–282 (2021).
  4. Subaiya, S., Hogg, E. & Roberts, I. Trials 12, 31 (2011).